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華奢な心。

今日、女の子の友達とカフェに行ったら、一緒に連れて行ったうちで暮らしているわんこが、驚くほど嫉妬した。
少しわんこから目を離して二人で話していると、わたしも入れてよ!と言わんばかりにわんわんと、吠えていた。いつもは吠えないわんこだから、なんだろうなあと不思議だった。
最初はおやつ欲しさに吠えているのかと思ったら、カフェでの時間が終わって交差点まで女の子と歩いていた時も吠えていて、ああ、これは嫉妬だなと気づいて、心がほんわかと温かくなった。
女の子がうちのわんこに会いたいと言って連れて行ったのだが、わんこも眠いタイミングだったらしく、終始機嫌を損ねていた。今思えばなんだか申し訳ないが、なんだか可愛いな、と思った。
嫉妬されるのなんて、何年ぶりだろうと、帰ってきて一人で夕方の空を背にタバコを吸いながら思った。
もしかしたら、嫉妬されたことないかも、なんて思う自分は、きっと鈍感なのだろう。こんな僕にも恋をしてくれる人は、これまでの人生でも数人いたし、小学生の頃は女の子に嫉妬されて今日のわんこみたいに機嫌を損ねられたこともあったっけ。夕空を見ながら、可愛い思い出が蘇ってきて、なんだか頬が緩む。
そうなると、わんこのこともあるから、なかなか恋はできないなあ、なんて馬鹿なことも、空を見ながら考えた。帰ってきて、甘え出すわんこをわしゃわしゃと撫で回して、ちょっとした罪滅ぼしをした。いや、やってることクズ男やないかい、と自分でツッコミを入れた。
嫉妬、という感情は、なんだかいいなあと思った。
好きという感情、その人と一緒にいられる時間を終わらせたくない、自分だけのものにしたい、どれも、終わりがあるからこそ、抱くことができる感情だと思った。
うちのわんこは、家に人を呼ぶと嫉妬しない。母親が来ても友達が来ても、懐いている。自分の場所は、誰にも取られないことをわかっているのだろうか。
大丈夫、居なくなったりしないよ。と優しく声をかけると、わんこは安心したようにおトイレをした。おい、もしかして、トイレしたかったから吠えていたんじゃないだろうな?