2026.05.06

朝起きたら、家のポストに名刺が届いたというメールが来て、早速取りに行った。作った名刺は「たけひろ」のものと、「鷺坂夕」のもの。名刺は捨てられるものという、会社員時代の感覚から逃れたくて、正方形で角が丸い、本の栞に使えそうな形にした。たけひろの名刺はつるんとした質感、鷺坂裕の方はクラフト紙で作った。可愛い出来になって嬉しい。

近くのカフェとかでも、何をしている人なのかたまに聞かれることがあるから、そういう時にこれを渡したい。

今日も喫茶店に来た。やっぱりここはのんびりとした空気が流れていて、好きだ。今日はパソコンも持ってきて、イヤホンでピアノを聴きながら少し書いた。シーンの書き始めだったから、少し神経を使ったが、いい書き出しができた。

喫茶店、という場所が家の近くにあってよかった。なんでもかんでも引きこもる、というのは心に良くないが、かといってうるさいところに行きたくはない。落ち着いて創作をしたい時、タバコを吸いながら、うんうんと考えられる場所はありがたい。

スポーティーな服装の若そうな男性が帰る。お姉さんが、早いね、と言って見送る。社長と呼ばれているおじいちゃんが、今日はなんだか、と言いながらレモンティーを頼む。お姉さんはフィリピン人っぽくて、ちょっと語感が強いから、なんだか面白い。喫茶店に長く通っている人もいるのだろう。なんだか、いいなと思った。

帰ってきてのんびりしている。今日も歌い過ぎて疲れた。一度ハマるととことんやるタイプだから、あまり書けていない。でもそれもそれで幸せだったりする。人生は、なんでもやっていいから。

夜になって、水曜日のポッドキャストの収録が終わった。なんだか今日は新しいヘッドホンだったからか、ちょっと疲れもあった気がする。でも、やっぱり人と話すのは楽しい。なよまるとのポッドキャストも、8月で始めてから1年が経つ。時が流れるのは早い。

ピアノの音楽は、僕の創作を助けてくれるなあと、やっぱり思う。特にHideyuki Hashimoto さんのラジオプレイリストはお世話になっている。落ち着く。創作に没頭できる。

小説を書いていて思うことは、世界観の密度と印象的なシーン、日常的なシーンのバランスだなと思う。密度を濃くすればするほど、わかりにくくなってしまうが、密度が薄いと没頭感が削がれる。シーンの数を多くすれば物語の展開の広さは増すが、遠くへ飛ばすことが必ずしもいいとは限らない。

ワンシーン4000~6000字ぐらいで書いているのだけど、10万字となったら25シーンぐらいしか書けない。意外と小説を10万字前後で収めることは難しい。

『空の模様』は、初めて書いた小説としては大満足だし、製本したものを読んでいて泣きそうになる。でも、まだまだ深みが足りない。深みっていうのがなんなのかは、まだ掴めていない。もっともっといろんな本を読んで、書かないといけないと思った。

自分の強みはやっぱり、家にいながらいろんな世界に飛んでいけるところだなと思う。ここまで生きてきて、初めて自分の難病がステキなものだと思えるようになった。

シャルコーマリートゥース病は、簡単に言えば外からの感触がほとんど感じられない病気。僕は生まれつきだから、その感覚を脳で錯覚する形で補うことができているのだが、きっとキーボードを打っている感覚は、他の人とは違うものがある。セックスも、何も気持ちよくない。

ただ、自分の体の中の感覚はその分、鋭い。血流の流れまで完全に分かる、ということに最近気がついた。そして、写真や映像を見て、そこの空気を体の中に入れ込む、つまりは世界に溶ける力も長けていると思った。これは小説を書くうえで、強みでしかない。まあ、小さい頃は死ぬほど辛かったけど。

それはきっと、内側から溢れ出すものを表現するのにいいと気づいて、本格的に歌を歌うことを決めた。声帯の動きを綿密に把握できるのは、きっといいこと。なんだかんだで、いい年齢の重ね方をしてきたのかもしれない。